損保ジャパンの配置転換事例は悪か。

労働観

先日から話題になっている損保ジャパンの配置転換の件、なんというか、いよいよそういう時代になったんだなぁと感じます。恐怖を感じた人も多かったようで、「最悪の労働搾取モデル」なんて揶揄しているニュース記事もありました。

ただ、これを「悪質な企業だ」の一言で済ますのはよろしくないと僕は思っています。今日はそんなお話です。

概要。

この事例の概要はこんな感じ。なるほど、確かに酷い仕打ちのようにみえます。

…同社はITを駆使した業務の効率化を推進することで2017年度比4000人の人員削減を進め、余った従業員を介護などを手がけるグループ企業に配置転換し、新規採用を抑えるというもの。
(中略)
4000人を削減した結果、人件費などが約100億円圧縮される損保ジャパン。言い換えれば配置転換で整理の対象となる社員は単純計算で1人あたり250万円の年収ダウンとなることを意味します。
(中略)
なお、損保ジャパンが社員を配置転換させる介護事業は2015年に「ワタミの介護」を210億円で買収することで手に入れたもの。210億円の事業買収が数百億円の節約や費用圧縮へと変わる、まさに錬金術です。

(引用:「社員1人あたり年収250万円引き下げ」だけじゃない、介護への配置転換で利益を生み出す損保ジャパンの”錬金術”とは?

損保ジャパンは絶対悪か。

「社員を配置転換させる介護事業は2015年に「ワタミの介護」を210億円で買収することで手に入れたもの」というのが、(事実かどうかは別として)計画性を感じてしまいます。決して褒められた話ではないですよね。

だけど、「損保ジャパンは酷い会社だ」といって一刀両断してしまうのは、ちょっと違うんじゃないかなと。

何がいいたいかというと、(利害関係のない立場からモニター越しに見てるからこそ言えることだけど…)企業側としても、苦肉の策なのだろうなと思ってしまったわけです。

根本的な原因は「解雇規制」では?

損保ジャパンの行為を肯定したいわけじゃないです。ただ、解雇規制など、法令で雁字搦めにされた状況に置かれている日本企業は、常に苦しい選択を迫られているのは事実でしょう。

4,000人ですよ。以前からずっと、労働力が余剰状態だったはずです。それでもリストラに踏み切れず、ぎりぎりの状態で耐えてきて、どうしようもなくなって今に至ったと考えるのが自然です。

解雇は簡単にはできないけど、配置転換は比較的容易にできる。それが日本のルールなのだから、ルールに則って問題を解決しようとした結果が、今回の事例なのではないでしょうか。もし、解雇規制がなければ、もっと傷が小さいうちに対応ができたのかもしれません。

過度な労働者保護が、労働者を苦しめる。

解雇規制は、労働者の保護のために存在します。だけど、この解雇規制こそが、労働者を苦しめているように思います。

解雇規制は、労働者が解雇されにくくなる代償として、企業が人を雇うハードルをアホみたいに上昇させます。そりゃ、簡単には解雇できないのだから、当然慎重になりますよね。。

結果、労働者の流動性が下がり、「辞めたくても(転職が難しいから)辞められない」「解雇したいけど(法令に縛られて)解雇できない」という状態がそこらじゅうで生まれるんだろうなと。必要以上の負担を強いられる人も出てきます。

これと同じような構造に陥っているのが、賃貸だと思います。一度住まわせてしまうと簡単には退去させられないから、大家さんは必死になって保証人やら保証会社やら年収の提示やらを求めてくるわけです。

適材適所が互いの幸せ。

労働社会の話に戻します。世の中には、どんな会社でもばりばり活躍できる優秀な人というのも確かにいると思います。だけど、そんな万能な人ばかりじゃないはずです。

残念ながら、再就職してしまいました。」でも書いたとおり、僕は一度転職を経験して、今いる会社は2社目です。今の仕事は、前職を経験したからこそやってみようと思えた仕事なのですが、前職よりは多少なりとも適性があるかなと感じてます(週5で働くこと自体しんどいのですが)。

僕のように独り身で背負うものがなく、低コストでも生きていけるような人間は、(相当悩みますが、)比較的動きやすいです。だけど、失敗が許されない状態で身動きが取れなくなってしまっている人も多いはずです。

…これって、企業も労働者も、お互い不幸なのではないでしょうか。

ところで。

ちょっと疑問なのが、実際に年収を下げた、あるいは下げることを企業側が明言してるのかということ。日本の「ルール」的に、一方的な給与の引き下げは、簡単ではなかったような? このへん、詳しい方がいたら、教えていただけるとうれしいです。

終わりに。

自分たちを守るはずの「ルール」は、行き過ぎると「足かせ」になる。そのことは、一人ひとりが理解しておかないといけないことだと思います。労働関係のみならず、原則「ルールは最小限に留めるべき」というのが僕の中での結論です。

以上、ゆとり隊長でした(`・ω・´)!


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