ついに最高裁「大法廷」だってよ。NHK受信料制度の法的解釈を大まかに総復習。

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たびたび話題になるNHK受信料制度。NHK受信料の合憲・違憲問題に決着がつくかもしれない。なぜなら2017年に「大法廷」によって最高裁が初判断を下すというのだから。せっかくいい機会だから、そんな興味深い決戦を前に、一度NHK問題について整理しておこう。今日はそんなお話だよ。

念のため注意書き。僕は法律の専門家どころか、法学部出身ですらありません。聞きかじった知識や調べた情報に加え、個人の偏見を存分に盛り込んでます。その辺を加味して、さらっと読み流してくださいね。

大前提。なぜNHKとの契約は義務なのか。

最初に大前提を書いておくね。NHKが義務であるという法的根拠は、放送法という法律だ。これの第64条第1項に下記のように書かれている。

協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。ただし、放送の受信を目的としない受信設備又はラジオ放送(音声その他の音響を送る放送であつて、テレビジョン放送及び多重放送に該当しないものをいう。第百二十六条第一項において同じ。)若しくは多重放送に限り受信することのできる受信設備のみを設置した者については、この限りでない。

読んで字のごとくなんだけど、受信設備(おもにテレビ)を設置したものは、協会(=NHK)と受信契約をしなければならないと書かれている。NHK側の主張は、ほとんどがこの条文に基づいたものではないかと思う。

争点となるのは3つ。

NHK関係の紛争では、争点になるのはおもに3つだ。どれも前述した放送法第64条第1項に起因する。この3つを頭の片隅に置きながら、読み進めてほしい。

(1)受信設備じゃねぇよ。

1つ目は受信設備であるか否かだ。たとえば、ワンセグは受信設備といえるのだろうか…といった問題だ。テレビは持っていなくも、ワンセグケータイを所持していれば、NHKと契約しなければならないのかが論点となる。これについては、比較的最近の事例があるので、すぐ後で紹介するね。

(2)受信目的じゃねぇよ。

2つ目は受信目的であるかどうか。ゲームをすることを目的として設置しており、受信設備じゃないんだよ!といった主張がなされる。ごめん、これについてはちょっとよくわからない。いい事例も知らないし、いろんなパターンがありそうだから、申し訳ないけど今回はスルー。

(3)そもそも憲法違反じゃねーの?

3つ目はそもそも契約義務が合憲か違憲か。憲法で「契約の自由」が認められているはずなのに、NHKとの契約義務が生じるのはおかしいのでは? そういう議論がなされる。これも後ほど紹介します。

ワンセグケータイは受信設備?

(1)の受信設備うんぬんについては、大々的に報じられたからご存知の方も多いかもしれない。2016年8月、さいたま地裁で興味深い判決が出た。訴えを起こしたのは埼玉県朝霞市の市議会議員・大橋昌信氏で、一言でいえば「ワンセグは受信設備か否か」が争われた裁判だ。

結果だけ紹介すると、さいたま地裁は「ワンセグは受信設備に当たらない」という判決を出した。詳しくは「NHK受信料、支払い義務ない(毎日新聞)」あたりを読んでほしいんだけど、設置と携帯は異なると判断したわけだ。現時点では、この判決が1つの判断基準になりそうだよね(NHKが控訴するようだから決着したわけじゃないから注意です)。

契約の自由 VS 公共の福祉。

前述したとおり(2)の受信目的うんぬんはスルーして、(3)の合憲・違憲うんぬんに進むよ。この記事を書くきっかけになったのは、この戦いで大きな動きがあったことを知ったからだ。当たり前の話なんだけど、放送法と憲法では、憲法が優先される。それにも関わらず、裁判を起こされても、NHKが問題なく受信料を徴収できているのはなぜか。

それはNHK側も憲法を用いて応戦しているからに他ならない。いくら契約の自由が認められるといえど、何でも自由にできるわけではない。さぁ、中学校の授業を思い出そう。あれだよ、あれ。そう「公共の福祉」ってやつ。これがNHK側の武器。

契約の自由 VS 公共の福祉。

公共の福祉理論が強い!

さて、「契約の自由 VS 公共の福祉」対決だけど、ワンセグ問題と同様、すでに戦いははじまっている(参考:NHK受信料制度は合憲か? 最高裁が初判断へ(朝日新聞))。

この記事のタイトルで「ついに最高裁!」と書いたけれど、日本の裁判は三審制。NHKの受信料制度が憲法違反か否かは、すでに二審までは判決が出ている。一審・二審ともに、公共の福祉に適合するため合憲であるとされた。

2017年が決戦のとき?

だけど、来年2017年に最高裁で初判断がくだされるとされている。しかも「大法廷」で。最高裁には大法廷と小法廷とがあって、大法廷が開かれるのは平均して年に数回程度(by Wikipediaさん)。大法廷は、重要な事件や違憲判決を審議する場。ここまでは事を有利に進めてきたNHK。しかしここでの判決次第では、NHKは過去にない大打撃を受けるかもしれない。

まとめ。

最近のNHKの傍若無人っぷりを見ていて、法的にどこまで通用するのだろうかと、個人的にすごく興味が湧いている。今後も生ぬるい視線で動向を見守りたい。

以上、ゆとり隊長でした(๑•̀ㅂ•́)و✧

 


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